根本裕美さん追悼文集Ⅱ

2021年5月
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「裕美さんを偲んで」

今年26歳になる私は、現在シュタイナーこども園に勤め、
今後の未来を担う小さな子どもたちと、
毎日喜びに満ちた日々を過ごしています。
私自身、シュタイナー学校で学んだことは一度もないのですが、
幼い頃から母にくっついて連れて行って貰っていた
「星のハーモニー」での体験は私の中の心の栄養として、
しっかりと根付いているように思います。

そんな素晴らしい活動を支えるスタッフさんたちの中に、
裕美さんはいました。
幼いながらに人の印象というものは
なんとなく感じているもので、
テキパキと動きながらも、場に明るさをもたらし、
いつも笑顔でコロコロと笑っているような方でした。
ライアーを弾く姿も、ライゲンをされる姿も、
手仕事を教えて下さるときも、そこには裕美さんの信念があり、
今思えば私にとっては、体験はもちろんですが
「そこで何をしていたか」というよりも、
そのはたらく姿そのものを感覚として
学んでいたように感じます。

成人してから、久しぶりに星のハーモニーへ、
今度は少しばかりお手伝いをしに行く機会がありました。
クリスマスの時期、丁度アドベントガーデンの日でした。
なんと、真っ暗な闇の中に、最初の光を灯す
マリア様という大役を私に任せていただいたのです。
幼い頃からこの「りんごろうそく」は何かとても神聖で、
特別な空間がありとても好きでした。
マリア様が足音もなくあらわれ、光を灯してまた去っていく…
子どもの私には本物の天使さま(マリア様ですが、
天使のような存在にみえたので)と信じて疑うことは
ありませんでした。
大人になって、自分がこの役をするときになって初めて、
裕美さんから「世代交代だね〜」と衣装を貸していただき、
あの存在は裕美さんだったのか、と理解しました。(笑)
決して子ども騙しで無い、本物を体験することの意味が、
自分自身を通して今、
確実に実っていることを日々感じています。

そんな裕美さんの姿をみてか、知らず知らずのうちに
シュタイナー幼稚園で働くことを心に決めて、
実際に4年前からシュタイナー幼児教育の現場に助手として。
昨年より教師としての歩みを始めました。
裕美さんからいただいたエッセンスを胸に、
今度は私が信念をもって、子どもたちの傍らに立ち、
健やかな育ちを守っていきたいです。
本当に天使になってしまった裕美さん…
私たちを見守っていてくださいね。
心よりご冥福をお祈りいたします。                     (M.N.)
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「根本裕美さんを偲んで」

いつも明るく快活で、大きなくるくるの瞳をキラキラさせて、
ライアー響会で、チャキチャキお世話をして下さった裕美さん。
あんなに若々しく元気そのものだった裕美さんが、
ご病気で急逝されたこと、今でも信じられない気持ちです。

裕美さんとは、北アイルランドでのライアー世界大会や、
その大会前の練習を兼ねたライアーオーケストラの合宿、
ライアー教師のためのコース(一期生)なども
ご一緒させて頂きました。
 合宿の夜の相部屋での雑談の中で、
「ライアー以外の趣味は?」という話になり、
皆さん、バレエやフルートなど多才で驚いたのですが、
一番驚いたのは、裕美さんの「バイクでツーリング」でした!
 あんなに小柄でかわいらしい裕美さんが、
大きなバイクで風を切って走る姿は、とても意外でしたが、
裕美さんのスピード感あふれる行動には、
ぴったりなのかもしれないな、とも思いました。

多才な裕美さんは、ライアー世界大会のフォトブックを
作成して、皆に披露して下さったり、
つくばのお仲間の方々の衣装やライアーカバーを作られたり、
ウォルドルフ人形作りの活動をされたり、
ライアー響会の会計など、マルチなご活躍で、
あちこちで引っぱりだこだったことと思います。

2019年の4月、裕美さんが学ばれていた、
泉本信子先生のライアーコース三期生の
修了コンサートを聴きに行かせて頂きました。
その時聴いた、裕美さんのソロ演奏の音色が、
あまりにも繊細で驚きました。
いつも元気印の裕美さんとは対照的に、
ライアーの音色はppp(ピアニシシモ)を
とても美しく響かせていらして、とても素敵な演奏でした。

裕美さんの自然体な姿は、日常で疲れ切ってしまった時など、
ライアー響会への足取りがちょっと重くなってしまった時などでも、裕美さんにお会いすると、元気を頂けました。
「あるがまま」でいいんだよ。
と励まされている気持ちになりました。
 そして、裕美さんはいつも集合写真や講座の写真を
撮って下さったり、
海外からお招きしたジョン・ビリングさんや、
トーマス・ペドローリさんとの活き活きしたやり取り通して、
ライアー活動にわくわく感を加えて下さっていたのも、
裕美さんならではでした。

ライアーユースの会で、私が娘を連れて、参加した時も、
(小3、小4の時、計2回参加)
娘にお菓子を持ってきて下さったり、
気さくに話しかけて下さり、
娘の緊張をほぐして下さったのも裕美さんでした。
演奏発表後も、娘に肯定的なコメントをして下さって、
前向きな力を頂けました。
裕美さんが幼稚園の先生だった姿を
垣間見れたような気がしました。

 先日(5月16日(日)は、ライアー響会の
「ライアーのオリジナル曲を弾こう!」という講座で、
講師の小野純子さんが、裕美さんを偲んで作られたという
「春のカノン」を皆で弾きました。
のびやかに踊っているような音楽が、
きっと天国の裕美さんにも届いたことと思います。

裕美さん、どうかこれからも天国で
私たちのライアーの響きを聴いて下さいね。

様々なライアー演奏者のコンサート会場でも、
裕美さんにはたくさんお会いしていて、
裕美さんは「あれは、弾き過ぎてる音(強すぎる音)だよ。」など、
嘘のない率直なご意見を語って下さっていたのも
印象に残っています。

ライアーの音色には、自他共にとても厳しかった裕美さんに
喜んで頂けるような音作りを、
今後一層励んで精進していけたら、と思っています。
裕美さん、どうかこれからも天国で見守っていてくださいね♪          (Yukom)

~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~「裕美さん」

裕美さんと私が初めてお話ししたのは、
3年前2018年4月につくばで行われた、
平井久仁子先生の歌の講座の後のランチのお店でした。
参加されたみなさまは雲の上のような存在の方々でしたので、
楽しいけれど少し緊張していました。
そんな時、裕美さんがニコニコの笑顔で「どうぞ〜」と、
私の名前を呼びながらお水の入ったコップを持って来て、
自己紹介してくださいました。
長い髪をふたつに結んだ姿が愛らしく、
とても嬉しかったことをよく覚えています。

その後定期コンサートや練習、
講座等でご一緒させていただいた際には、
明るく元気で颯爽とされていて、
そしてその合間に話される言葉に笑い声が上がる…
いつも楽しい裕美さんでした。

最後にお話ししたのは、2019年10月の定期コンサートが
終わった後の駐車場で、
ちょうど隣に車を停めていたため、
荷物を積みながら少しお喋りをしました。

先月メンバーのみなさまと裕美さんのご自宅に向かった際、
高速を降りてしばらくすると美しい水色の海が見えてきて
「裕美さんはこの海をいつも見ながら暮らしていたんだなぁ。」と思いました。
そしてご自宅から出棺をお見送りする際に見上げた空は、
どこまでも高く広がる澄んだ青空で、
薄い白い雲が少し流れていました。

「裕美さんの青空だね。裕美さんブルーだね。」と、
お見送りのみなさまが口々におっしゃる声が聞こえ、
「ほんとうにこの空は裕美さんそのものだなぁ。
裕美さんはどこへでも自由に行けて、裕美さんを想えばいつでもきっと来てくれるなぁ。」と感じ、
流れる薄い白い雲が天使のように見えました。

裕美さんとご一緒させていただいた時間は短かったですが、
裕美さんから受け取ったものはとても大きく、
感謝の気持ちでいっぱいです。
そして他の方々がお話しされる裕美さん、
追悼文に書かれている裕美さんから、
さらにたくさんの想いを受け取っています。

裕美さん♡出会ってくださり、そして今も私の心を
深めてくださり、ほんとうにありがとうございます
裕美さんから受け取った色々な想いを胸に、
これからの人生歩んでいきます。     
(Hiros)

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「裕美さん、ありがとうございました」  

裕美さんと最初にお話したのは、成美教育会館での
ライアーワークショップの帰りの車の中でした。
みんな快い疲れで眠りについているなか、眠気ざましのように、シュタイナー幼稚園ではどんなことをしているのか、
どこが普通の幼稚園と違うのか、という超入門の質問を

繰り出す私に、助手席の裕美さんは
とても丁寧に答えてくださいました。

そういうご縁もあり、拙宅で「星のハーモニー」を
やっていた時は毎月日立から駆けつけてくださり、
本当にたくさんの親子が
その暖かい雰囲気を味わうことができました。

人形作り、羊毛ワーク、水彩、いろいろな自然物を使った
作品づくりなどの手仕事、舞台作り、司会まで、
総合プロデューサーであり、質の高さ、センスの良さは
本当にコンサートや集まりのたびに感心したものです。
手際が悪く気のきかない私はよく叱られましたが、
そんなふうに率直に言ってもらえたことも
貴重な経験になっています。

近年はライアー世界大会にも欠かさず参加され、
とりわけジョン・ビリング氏との深い交流から
つくばでも何度もワークショップが実現したことには感謝!
の一言しかありません。

とても残念なことは、裕美さんが最近真剣に深められていた
ライアーの独奏を聞く機会がなかったこと。
いつか聞ける、がかなわぬことになってしまいました。

いつも元気な裕美さんのイメージしかなかった私は
訃報に最初は人違いかと思ったほどです。

裕美さんが残してくださった数々のこと、
大切にしていこうと思います。

裕美さん、本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。          

(はづき)

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「感謝を込めて」

裕美さん

今はどこを旅していますか?

突然のお別れに、今も思い出しては涙がでてきます。

裕美さんとは、星のハーモニーで初めてお会いして、
家族で本当にお世話になりました。

そしてライアーでは2年前、
金沢に演奏旅行に来て下さったことが、なによりの思い出です。

事前準備では「大丈夫よ~」「わからない事があったら、
いつでも連絡してね」と裕美さんの励ましが、

心強かったです。コンサート当日の練習では、
皆さんとの久しぶりの演奏に感極まってしまい・・

裕美さんが後ろからさっとハンカチを貸して下さいました。

金沢の地で演奏をご一緒できたこと、
あっという間の時間でしたが観光を楽しんで下さったこと、

いつもリヒト金沢を気に掛けて下さったこと、
裕美さんとの大切な大切な思い出です。

娘が頂いたネコの羊毛ブローチ、大切にしますね。

裕美さん、たくさんの愛と笑顔をありがとうございました。                 (Masa) 

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